《A》月経期のリズム

月経期は休みましょう。
休む必要があるのです。

生理の時期に体調が悪くなりがちです。どう過ごせば良いでしょう?

宮川先生

生理は身体の生まれ変わりのチャンスでもあります。
そのためにも、ちゃんと休んで、ちゃんとサボりましょう。ある意味義務です(笑)

目次

月経期は生まれ変わりの時期

「我慢」で乗り切らないで。

生理痛や頭痛、倦怠感など、月経期は心身の負担が大きいですね。この時期を「我慢」で乗り切っている方もいるのではないでしょうか?

でも、生理は月に一度のデトックス。「身体に溜まった不要なものを放出するチャンス」にもなります。
つまり、月経期は『生まれ変わり』の時期なのです。

そのために必要な月経期のキーワードは「ゆるめる」です。
月経期は、のんびり、ゆるゆる、リラックスして『本気で休む』ことが大切です。
それはなぜなのか「月経期の身体づくり」をみていきましょう。

月経期の身体

生理は身体のリセットです。

そもそも生理とは何でしょう?
子宮の中で子宮内膜が剥がれ落ち、経血とともに排出されるのが生理です。
身体から「剥がれる」というくらいですから、身体にとっては結構しんどい現象ですね。

そう。しんどいんです。大変なんです。がんばってるんです。
まずはこれを自覚してあげましょう。

子宮内膜は、妊娠の際に受精卵がもぐりこむ『お布団』のようなものです。
子宮の中はこの子宮内膜という粘膜で覆われているのです。

『月経リズム』の中で、子宮内膜がどんどん増えて、厚みを増していきます。
『お布団』がふわふわになっていくイメージですね。

もし妊娠しないと、その『お布団』(=子宮内膜)は子宮から剥がれ落ち、排出されます。
これが生理です。

毎月毎月、新しいふわふわの『布団』を敷いては片付けて、また新しいふわふわの『布団』を敷いては片付けて…を繰り返しているわけですね。

一か月かけて溜めたまったものを、毎月、毎月、経血とともに排出しています。
身体をお掃除してリセットしているようなイメージですね。

生理のリズム

生理痛の原因はプロスタグランジン

生理の際は、なぜ痛みを感じるのでしょうか?
その原因のひとつがプロスタグランジンという物質です。

生理の際、子宮内膜を体外に押し出すためにプロスタグランジンが分泌されます。
これが子宮をギューッと収縮させることで、子宮内膜を血液とともに体外に押し出すのです。

プロスタグランジンは痛み物質でもあるので、生理痛の要因の一つになります。
プロスタグランジンの量が多いと、子宮を収縮させる力が強くなり、生理痛が強くなります。

身体は、これを毎月、毎月、勝手にやってくれているわけです。
自分で意識して、力を入れても排出できませんよね?
自然の力って本当にすごいですよね。

ストレスが生理痛を悪化させる。

また、生理の出血で貧血気味になり、身体のだるさを感じる場合もあります。
この時期に仕事や家庭、受験などでストレスがかかると、痛みを敏感に感じるようになり、血液循環が悪くなりさらに痛みが増すこともあります。
身体の痛みがさらにストレスにもなり「また痛くなるのでは…」という不安がまたストレスになる…この悪循環が生まれると本当に大変です。
だからこそ、この時期は「ゆるむ」ことが大切。キチンと身体を労って、休ませてあげましょう。

「私は生理痛はありません」という方がいました。

昔、「私は生理痛はありません。」という方がいらっしゃいました。
でもよく話を聞いてみると「だって毎月、痛み止めを飲んでますから。」とのこと。本当に心配です。
鎮痛剤は助けになります。でも、重い生理痛が続く場合、子宮内膜症という病気が隠れてる場合がありますので、ぜひ医療機関で受診してください。

月経リズム

女性ホルモンのリズム

次に女性ホルモンの状態をみていきましょう。
月経期は、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが減ります。
月経期は体温が下がり、血行も悪くなり、冷えや頭痛を感じる方もいますね。

この時期に偏頭痛になるという方も多いです。これはエストロゲンの急激な変動が関わっているともいわれてます。
また、エストロゲンの減少により、皮脂の分泌が減少するので、肌が乾燥しやすくなります。血行不良でくまなどが出やすくなったり、肌が敏感になり肌が荒れやすくなる方もいます。


28日周期の場合

骨盤の開閉リズム

月経期は骨盤が「開いている」時期です。
まるで仮想の出産のように骨盤は大きく開きます。このとき、骨盤と背骨を通じて連動している頭蓋骨もゆるみます。頭がゆるむので、生理のときは眠気やだるさを感じやすいのです。
また、月経期は、身体は『排出』する方向性を持つので、この時期は下痢にもなりがちです。

本来この時期は、身体はゆるもう、ゆるもうとしています。でも、ストレスや緊張、身体の冷えなどがあると、骨盤が上手に開かなくなってしまいます。また、目や頭を使いすぎると、頭蓋骨がガチガチになり、連動して骨盤の弾力も失われていってしまいます。
身体を十分にゆるめないと、不調となって現れやすくなるのです。

また、月経期のほかにも骨盤が開くときがあります。
『目覚めと睡眠のリズム』では夜に骨盤が開きます。『四季のリズム』では春に骨盤が開きます。
骨盤がゆるゆるゆるんでいくので、夜も春も月経期も、なんだか眠いんですね。それが自然なんです。
これらのリズムでは、生活をゆるむ方向、ゆるむ方向にもっていくと良いですね。

ちなみに、最も骨盤が開くのは出産のときです。
ですから、ゆるんでない妊婦さんには「ぽけーっとしてください」「ボケてください」と、お願いしています。
身体の調整をする際も、とにかく身体をゆるめます。
妊婦さんにとっては、ちょっとボケているくらいが、良い身体なのです。

心のリズム

メンタル面では、頭蓋骨が開くことで、頭がぼーっとして集中力がなくなったります。
気力がなくなるような印象を持つ方もいます。これはある意味、自然なことです。
身体の変化を受け入れてしっかり休むことが、身体の摂理にあっているのです。

ここでしっかり休まずにリラックスできないと、倦怠感となって、身体が動けなくなったり、さらに気分が落ち込んで悪循環に陥る場合もあります。
身体はゆるみたいのです。でも、緊張したり、知的活動をしたり、ストレスが多いと、身体は悲鳴をあげ始めます。
ストレスや緊張が続かないように、今やらなくて良いことは後回しにしたり、サボれることは全身全霊でサボったりして、身体リラックスすることに集中しましょう。

このために大変役立つのが、自然療法です。
嗅覚と触覚に働きかけるアロマテラピーやオイルトリートメントは特に助けになります。
身体からアプローチすることで、心をゆるめることができるのです。

まとめ 

月経期は身体をリセットして、回復へ向かう時期

月経期に、倦怠感や、下腹部や腰の激しい痛み、頭痛や吐き気を催すほど、困っている方も多いと思います。
でも、生理痛があるのは当然ではありません。痛みが全くない方もいますし、体調によってもさまざまです。
身体に負担のかかる生理のために『しっかり休む』。骨盤や頭蓋骨が上手に開くように、ゆるゆる過ごす。ゆるむことを受け入れることが大切です。

月経期を上手に過ごせると、生理により身体がリセットされます。
心の中のこだわりやモヤモヤからも開放され、生まれ変わるような気分を味わう方もいます。
月経期を上手に乗りこなし、生理が終わりに近づくと、エストロゲンが分泌され始め、身体はどんどん回復していきます。
「それまでの身体がリセットされて、新しい私が始まるんだ。そのためにゆっくり休んで次の卵胞期に備えよう。」と思えると良いですね。
卵胞期にエストロゲンのシャワーを思いっきり浴びて、恩恵を受けるためにも、月経期はきちんとリラックスの身体づくりをしましょう。

《A月経期(生理中)
生まれ変わりの時期。身体をリセットする時期。回復へ向かう時期。

生理で身体に大きな負担がかかる時期。
身体がゆるみ、ぼーっとする時期。
《骨盤:開いている》

だから…

自然療法でできること
「ゆるむ」ケア

しっかり休む。ゆるゆる&のんびり過ごす。
ストレスを避ける。ボンヤリを受け入れる。
身体を温める。血液循環を促す。
目を使わない。

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